▽下水道「水増し」住民訴訟・本格スタート▽


1.3月21日,岡山市の「下水道水増し」事件の住民訴訟の,第1回口頭弁論期日が開かれました。裁判の本格的スタートです。被告の中には,提訴後に死亡された方もあり,その方を除いて(取り下げました)49人に対して,岡山市に合計17億円余の損害を賠償せよ,という裁判です。

2.被告さんたちは,それぞれ答弁書を提出して,全面的に争う態度です。こ の答弁書は,例によって,「裁判所語」という特殊日本語で書かれているので,ここで全文をご紹介してもちょっと解読できないでしょう。よって,省略。

3.では被告さんたちは何を争っているのかというと,よくわからないのです 。なにしろ,答弁書にあまり「ミ」がないうえに,「返事を保留」している部 分まであるもんで。 ただし,「ここが問題になるだろう」という争点は,両者ともだいたい意見が 一致しています。それは,「『水増し』の報告をするときに,いったい何を考 えていたんだ」ということです。
   私たちは,「水増しのことは,市長さん以下,全員が知っていたことのはずだ 」と主張するのです。(被告さんたちの主張は,たぶん,「誰もろくすっぽ知 らなかった」というものになるのでしょ  う。)

4.被告さんたちは,答弁書の中で,
(1)地方交付税のもらいすぎの原因になった,市長以下の職員の行為が,なぜ岡山市に対する不法行為になるのか?
(2)被告(市長以下の幹部職員)はどういう権限をもっていて,それぞれどうすりゃよかったというのか?それと岡山市の損害(加算金をとられたこと)とどういう関係があるのか?と主張しました。(以上,日本語訳版)

5.これに対して,私たちは,準備書面を提出して,
(1)公共施設状況調査で水増しした数字を報告して,しかも,地方交付税の 基準需要額算定のときにそれを修正しなかっのだから,地方交付税がもらいす ぎになることは,わかりきったことである。

(2)そのごまかしはいつかはバレて,岡山市が加算金をとられることになる ことも,わかりきったことである。

(3)だから,水増し報告やその見逃しが,岡山市に対する不法行為になるの
も,わかりきったことである。
と主張しました。(日本語訳版)
また,手元にある証拠書類を(出し惜しみなしで)ごっそり提出しました。 そして,「今のならともかく,昔の職員の職務権限は,市から資料を出しても らわないとわからないじゃないか」と主張しました。

6.次回の裁判は6月7日に行われます。この日までに,
(1)被告さんたちの側は,答弁が「保留」になっている部分について,できるかぎり答弁をします。そして,昔の職員の職務権限についての資料を提出します。
(2)私たちは,それを前提にして,くわしい主張を出します。